【FAQ】宮島の鹿の給餌活動へのよくある質問に、現場の給餌ボランティアがお答えします

宮島の鹿や給餌活動について、よくいただくご質問にお答えします。

しかこ

宮島の鹿さんについて、ちゃんと知っておきたいな

鹿さん

みんなからよく頂く、質問に答えるよ

《ご確認ください》
いつくしかは、宮島の鹿さんへの給餌活動を行っている任意団体です。怪我や病気になった鹿さんのレスキューや、治療などの医療行為は行っておりません。怪我や病気の鹿さんがいた場合でも、獣医師ではない私たち個人が治療や医療的な対応を行うことはできませんので、あらかじめご了承ください。

これだけ自然豊かな島であるにも関わらず、鹿が山にエサを求めないのは理由があるのでしょうか?

宮島は花崗岩を基盤とする島で、土壌が薄く、栄養分の少ない痩せた土地が多いのが特徴です。そのため植物が豊富に育つ環境とはいえず、鹿の餌となる植物も限られています。

宮島の鹿には給餌してはいけないのですか

宮島の鹿への給餌については「控えてください」というお願いはありますが、法令ではないため罰則はありません。

私たちは現地の状況を見ながら、18年間給餌を行っています。

2008年の『宮島地域シカ保護管理計画』では、給餌中止により鹿の衰弱が見られる場合、給餌の再開や芝地整備などを行うとされていましたが、十分に実施されていません。

そのため、現在の鹿の状態を踏まえ、市民による適切な給餌が継続されています。

包ヶ浦自然公園の鹿さん
宮島の鹿は神鹿ではないのですか

宮島の鹿は鎌倉時代に書かれた文献の中に『神鹿』という言葉が出てくるように、鹿信仰とのつながりが深く、鹿と人間は共存してきました。戦後には、神鹿苑(しんろくえん)という施設を作り鹿を飼育して増やした歴史が、写真と文献で残っています。かつては、厳島神社に鹿の銅像もありました。

以下の記事で、宮島の鹿さんの歴史をまとめています。

宮島の鹿は増えていますか

廿日市市は、市街地周辺(大元公園から包ヶ浦までとその背後の森林)の鹿を、個体識別にもとづいて約600頭と推定しています。ただし、これはあくまで推定で、実数は誰にも分かっていません。

市の令和4年度の報告書は、現状では生息個体数が増加しているとはいえないようだとしています。一方で、餌やりが続いて餌が増えれば、増加する可能性があるとも指摘しています。

なお、市街地中心部で調査日に見かけた鹿の数(確認個体数)は、鹿が出てくる頻度や時間によって変わるため、市も生息数の変化とは区別しています。

私たちは、給餌を続けてきた中でも頭数が目立って増えていない点に注目しています。ただ、市の推定は調査が進むにつれて見直されてきた経緯もあり、数字の比較には慎重でありたいと考えています。

餌を探す宮島の鹿さん
餌やり禁止によって鹿が減るのでしょうか

餌が不足することで鹿の数が減るとしても、その過程で鹿が飢えに苦しむことになるのであれば、私たちはそのやり方を問題視しています。

観光客による無秩序な餌やりは禁止を徹底するとともに、今いる鹿には適切な給餌を継続しながら、長期的な視点で鹿の数を適正な状態へ導いていくべきではないかと考えています。

宮島の鹿の飲み水はありますか?

宮島では数本の川があり、常に豊富な水が流れています。その川の水を鹿さんは飲んでいます。水不足にならない限り、飲み水には困らない環境ですのでご安心ください。

鹿さん

宮島の川のお水に感謝

大元公園の側にある川
鹿が食べられる草が少ないのに、なぜ宮島に鹿がいるのですか

戦後には「神鹿苑(しんろくえん)」が設けられ、鹿を飼育し、観光資源として保護してきた歴史があります。現在の宮島の鹿の個体群は、自然環境だけでなく、こうした長年にわたる人との関わりの影響も受けてきたと考えています。

宮島の鹿への給餌は自然公園法に違反しませんか

国と県に対して正式な回答を求めたところ「自然公園法による野生動物への餌付け禁止は、人的被害の可能性がある動物(例えばクマ)が対象と考えられており、宮島のシカはそれに該当しない」との回答をいただきました。給餌活動は違法ではないのでご安心ください。

しかこ

18年間も給餌活動をしているのだから
違法ってことはないわね

大元公園と観光客と鹿さん
宮島の鹿は野生動物ですか?

宮島の鹿は野生のニホンジカとして扱われています。一方で、人との関わりには長い歴史があり、行政や島民による給餌、鹿せんべいの販売、戦後の神鹿苑での飼育など、人為的な影響を強く受けてきた個体群でもあります。

宮島の鹿は餓死しそうには見えません

宮島の鹿は、一見すると餓死しそうには見えないかもしれません。

しかし現状は、給餌を行う人や鹿を気にかける方々が協力し、継続的に餌を与えていることで、何とか状態が保たれています。

また、「お腹が膨れて太っている」と見える場合でも、ゴミを食べて消化できずに膨れている場合や、メス鹿の妊娠によることもあります。

大元公園にある看板と鹿さん
餌を与えると鹿が増えて、かえって苦しませることになりませんか?

現在の環境では餌資源が不足しており、給餌を行わなければ、多くの鹿が飢えにより苦しみ、命を落とす可能性があります。私たちの給餌は、こうした苦しみを少しでも軽減することを目的としています。

また、宮島の鹿を野生の状態に戻し、適切な個体数へと調整していくこと自体に反対しているわけではありません。ただし、その過程において過度な苦痛を伴う方法であってはならないと考えています。

なお、この給餌活動は18年間継続されていますが、宮島の鹿の頭数は特段増えていません。

【鹿の頭数について】
平成20年(2008年)の行政資料では推定約600頭、令和4年度(2022年)の調査報告書でも推定約600頭とされています。少なくとも、この二つの行政資料を比較する限り、推定個体数が大きく増加したとは確認できません。

鹿さん

ごはんいつもありがとう

宮島の鹿への餌やりが禁止になったのはなぜですか?

鹿への人による餌やりが長年行われたため、市街地に鹿が集中するようになり

  • ゴミの誤食
  • 人とのトラブル
  • 植生への影響

など、さまざまな問題が起きたためとされています。

脚を伸ばしてくつろぐ鹿さん(7月の大元公園)
宮島に行くと「餌やり禁止のお願い」の看板がたくさんあります

廿日市市は、観光客による餌やりを控えることなどを通じて、鹿と人との共存を目指しています。一方で私たちは、餌資源が不足している現状で給餌を一律に制限することによって、鹿が飢えに苦しむ可能性を懸念しています。

私たちも、鹿さんをもっと大切にして欲しいと国や行政に「お願い」をしています。まずは給餌ボランティアの活動に限り「給餌」を認めてはどうかと提案しています。

冬毛の鹿さん
宮島島民はなぜ声をあげないのですか

宮島島民の方の中にも、鹿の現状を心配されている方がおられます。一方、地域社会の中ではさまざまな立場や人間関係があるため、鹿の問題について表立って意見を述べることが難しいと感じる方もおられるようです。

しかこ

住民の方もつらいのね..

チモシーやどんぐりを撒いていますが、原生林に生えたらどうするんですか

18年間の給餌活動の中で、給餌したチモシーやどんぐりが定着・繁殖した事例は、私たちが確認している範囲ではありません。給餌したものも通常1〜2日程度で鹿に食べられています。

夏毛の鹿さん
餌やりなしで宮島の環境が維持できる最大の個体数があるべき形ですよね

餌やりを行わなくても、宮島の環境の中で維持できる個体数に収まることが、本来の望ましい姿だと考えています。

ただし、宮島ではこれまで観光利用の中で鹿と人が関わり、結果として現在の頭数や環境が形づくられてきました。

そのため私たちは、給餌を続けながら苦しみを軽減しつつ、将来的に野生の状態へと移行していくための施策を進めていく必要があると考えています。

なお、現状のまま急激に個体数を減らそうとすれば、多くの鹿が飢えによる苦しみを伴う可能性があります。

新聞やテレビで報道されないのはなぜですか

これまで、新聞社が米田さんのもとを3度ほど訪れ、給餌活動について取材を行いました。しかし、いずれも記事掲載には至りませんでした。

また、2025年には宮島・包ヶ浦自然公園へのホテル誘致に反対する署名が全国から約3万筆集まり、廿日市市へ提出されましたが、この件が報道されることはありませんでした。

2026年3月には、宮島で違法なくくり罠が複数発見され、警察へ通報されましたが、この件についても報道は確認できませんでした。

これらが報道・掲載に至らなかった理由について、私たちには確認できていません。

宮島は97%が森ですよ

宮島の森に入ると多くの緑が目に入るため、一見すると、鹿が食べられる植物も豊富にあるように見えます。

しかし、私たちが宮島で継続的に植生を観察していると、鹿が好んで食べる植物は少なく、シダ類、梻、榊、馬酔木など、鹿がほとんど食べない、あるいは食べるのを避ける植物が多く残っていることが分かります。

下の写真に写っている緑の葉の多くも、鹿が食べない、またはほとんど食べない植物です。

2026年7月21日撮影 大元公園
2026年7月21日撮影 大元公園
鹿が食べられる草を植林できないのでしょうか

宮島は神の島として大昔から規制が厳しい土地なため、勝手に植林することはできません。また、するとしても頑丈な囲いを作らないと鹿にすぐに食べられてしまいます。

支援がしたいのですがどうしたら良いですか

宮島の鹿さんを気にかけてくださりありがとうございます。現在、OFUSE(オフセ)というサイトにてご支援を受け付けております。

また、ゆるかわ鹿さんLINEスタンプやいつくしか公式グッズも販売しております。

ご支援金やグッズなどの売り上げは、全て宮島の鹿さんの給餌活動に使わせていただいております。

鹿さん

みなさま、ご支援ありがとうございます❣️

いつくしかに関わる全てのご支援金や収益に関しては、毎月収支報告を行っております。

鹿はものすごいスピードで増えると聞きました

鹿は急激に増えるイメージを持たれることがありますが、実際には犬や猫のように一度に複数の子を産む動物ではありません。

一般的にメス鹿は年に1頭の出産であり、爆発的に増えるような繁殖の仕方ではないとされています。

【鹿の頭数について】
平成20年(2008年)の行政資料では推定約600頭、令和4年度(2022年)の調査報告書でも推定約600頭とされています。少なくとも、この二つの行政資料を比較する限り、推定個体数が大きく増加したとは確認できません。

宮島包ヶ浦自然公園の芝はいつも短い
キャベツや人参など、人間の食べ物を与えるのは危険だと言う人がいます

キャベツに含まれる硝酸塩は、ほうれん草や小松菜などに比べて低い傾向があります。

一方、鹿などの反芻動物では、硝酸塩を過剰に摂取すると、体内で生成される亜硝酸塩によって中毒を起こす可能性があります。そのため、野菜についても種類や量、与え方を考えることが大切です。

私たちは長年、週に一度の給餌活動でキャベツや人参を適量与えてきましたが、これまで給餌後の鹿に明らかな体調異常が生じた事例は確認していません。

こうした長年の現地での観察も踏まえ、少量の野菜を与えることまで一律に「危険な給餌」とするのは適切ではないと考えています。

大元公園の鹿さん
では、どうしたら良いと思いますか?

鹿を野生に返し、宮島の環境に適した頭数へと調整していくこと自体は重要だと考えています。ただし、その過程で鹿に過度な苦痛を与えない方法を選ぶことが必要です。

海外では、シカ類の個体数管理の方法として、免疫避妊などによる繁殖抑制が研究・実施されている例があります。宮島で実施できるかどうかについては、効果や安全性、実施方法などを専門家と検討する必要がありますが、殺処分や飢餓に頼らない方法の一つとして、検討する価値があると考えています。

また、過去の事例を踏まえ、鹿の餌場となる芝地を少しずつ増やしていくことも、選択肢の一つではないかと考えています。

環境整備について

その他にも、鹿の頭数や健康状態、生息環境などを把握しながら、行政が一定の管理のもとで適切な給餌を継続していく方法も考えられます。

私たちは、いずれか一つの方法に限定するのではなく、鹿の苦痛をできる限り減らしながら、宮島の環境と共存できる状態を長期的に目指していくことが大切だと考えています。

しかこ

みんなでより良くしていきたいね

鹿さん

ぼくたちを大切に想ってくれてありがとう

以上が、宮島の鹿さん給餌活動に対してよくある質問と回答です。

いつくしかブログでは、皆さまからのさまざまな疑問にお答えする形で、記事を書いております。

他の記事も併せて読んでいただくことで、この問題の本質や向かうべき方向が見えてくると思います。

私たちは、皆で理解を深めて、宮島の鹿さんを大切にする世の中に変えていきたいと活動しております。

共感してくださった方は、どうぞ応援よろしくお願いいたします。

ご支援についてはこちら

《ご確認ください》
いつくしかは、宮島の鹿さんへの給餌活動を行っている任意団体です。怪我や病気になった鹿さんのレスキューや、治療などの医療行為は行っておりません。怪我や病気の鹿さんがいた場合でも、獣医師ではない私たち個人が治療や医療的な対応を行うことはできませんので、あらかじめご了承ください。




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