鹿にキャベツを与えても大丈夫?硝酸塩のリスクと宮島での給餌について

ネット上では、

キャベツなど人間の食べる野菜を
 鹿に与えると有害

といった意見を見かけることがあります。

そして中には

キャベツに含まれる硝酸塩が亜硝酸塩に変わり
 反芻動物にとっては毒になる

と警鐘を鳴らすものまであります。

しかこ

SNSで知らない人に
そう言われて不安になりました

果たしてこれは、本当なのでしょうか?

この記事では、キャベツに含まれる成分や反芻動物への影響について確認できる資料をもとに、宮島で継続的に給餌活動を行っている私たちの経験も交えながら考えていきます。

目次
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キャベツは鹿にとって危険な食べ物?

キャベツをもらった鹿さん

「鹿にキャベツを与えるのは危険」という意見には、どのような根拠があるのでしょうか。

キャベツには硝酸塩が含まれており、鹿を含む反芻動物では、硝酸塩を過剰に摂取することで中毒を起こす可能性があります。

そのため、キャベツを含む野菜を与える場合には、種類や量、与え方を考えることが大切です。

一方で、こうしたリスクがあることと、キャベツを少量与えることまで一律に「危険」とすることは、分けて考える必要があると私たちは考えています。

鹿さん

キャベツおいしい

キャベツには確かに硝酸塩が含まれています。

ただし、農林水産省が紹介している日本食品標準成分表のデータでは、キャベツの硝酸イオン量は100g当たり約0.1gで、ほうれん草の約0.2g、小松菜の約0.5gと比べると低い値となっています。

一方、反芻動物では硝酸塩を過剰に摂取すると、体内で生成される亜硝酸塩によって中毒を起こす可能性があります。

したがって、「硝酸塩が含まれているから危険」「少量なら必ず安全」と単純に判断するのではなく、与える量や頻度などを考えることが重要だと考えています。

出典:農林水産省 – 食品からの硝酸塩の摂取量

宮島の鹿の現状と給餌について

お野菜を食べる鹿さん

宮島は花崗岩を基盤とする島で、土壌が薄く、栄養分の少ない痩せた土地が多いのが特徴です。

宮島の鹿と人との関わりには長い歴史があり、行政や島民による給餌、鹿せんべいの販売、戦後の神鹿苑での飼育など、人為的な影響を受けてきた個体群でもあります。

現在、私たちが宮島で継続的に観察している中では、鹿が好んで食べる植物が少ない場所も多く確認しています。

その結果、

もともと限られていた植物の量と、現在の鹿の頭数とのバランスが大きく崩れ、鹿の食べ物がとても少ない環境となりました。

そのような状況の中で、鹿たちは草だけでなく、紙やビニール袋、ブルーシート、ロープ、布類といった本来食べ物ではないものにまで口にしてしまう状態にあります。

鹿さん

え、たべられないものだったの

しかこ

そういった映像を見るのが本当につらい

こうした宮島の現状も踏まえ、私たちはチモシーやオーツヘイなどを中心に、キャベツや人参なども量を考えながら給餌しています。

キャベツなどの野菜に一定の注意が必要であることは理解していますが、そのことだけをもって、少量の野菜を与えることまで一律に「危険な給餌」と判断するのは適切ではないと考えています。

給餌ボランティア活動18年で得たもの

杉之浦神社での給餌

いつくしか給餌ボランティアは、週に1度、決められた場所・時間・分量で鹿たちに給餌を行っています。

宮島の鹿の餌は主に

  • 人参🥕
  • 古米🌾
  • 米ぬか🌾
  • キャベツ🥬
  • どんぐり🌰
  • チモシー🌿
  • オーツヘイ🌿
  • 圧辺コーン🌽
  • ヘイキューブ☘️
  • ラビットフード☘️

などを、それぞれの特性や量を考えながら組み合わせて与えています。

いつくしかの給餌車両

私たちが行なっている週に一度の給餌活動では、長年にわたり、キャベツや人参なども量を考えながら与えてきました。

これまでの活動の中で、キャベツや人参を与えたことによって鹿に明らかな体調異常が生じた事例は、私たちが確認している範囲ではありません

もちろん、これは科学的な安全性を証明するものではありません。

しかし、長年にわたって鹿を継続的に観察してきた中で得られた現場での経験として、今後も記録していきたいと考えています。

しかこ

鹿さんが元気に生きているのが
何よりの証拠ね

より適切な給餌を続けていくために

支援物資のキャベツ

鹿にとって、できるだけ自然に近い植物を確保できる環境を整えることは重要だと考えています。

一方で、現在の宮島の環境や鹿の状態を考えると、すぐに給餌を必要としない環境へ移行することは簡単ではありません。

私たちは、現地で鹿の状態や植生を継続的に観察しながら給餌活動を続けていますが、給餌方法についても、今後さらに専門的な知見を取り入れていくことが必要だと考えています。

鹿の生態、獣医学、植物など、それぞれの分野の専門家や行政、地域の方々とも情報を共有しながら、宮島の鹿にとってより良い方法を考えていければと思っています。

現在は、OFUSEというサイトを通じてご支援を受け付けております。

まとめ

トンネル手前の鹿さん

「鹿にキャベツを与えるのは危険なのか」

という問いに対して、単純に「安全」「危険」と二つに分けて答えることは適切ではないと考えています。

キャベツには硝酸塩などが含まれており、反芻動物に過剰に与えることには注意が必要です。

一方で、キャベツに含まれる硝酸塩は、ほうれん草や小松菜などと比較すると低い傾向にあります

私たちも、キャベツだけを大量に与えているわけではありません。

鹿さん

いろんなごはんをもらっているよ

チモシーやオーツヘイなどを含め、さまざまな餌を組み合わせながら、量を考えて給餌しています。

また、長年の給餌活動の中で、キャベツや人参を与えたことによる明らかな体調異常は、私たちが確認している範囲ではありません。

ただし、こうした現地での観察だけで科学的な安全性を証明できるものではないことも理解しています。

大切なのは、一部分の情報だけで「安全」「危険」と断定するのではなく、科学的な知見と現地での継続的な観察の両方を踏まえながら、より適切な給餌方法を考え続けることではないでしょうか

私たちも今後、新しい知見が得られれば給餌方法を見直しながら、宮島の鹿たちの健康を第一に活動を続けていきたいと考えています。

そして、いつも鹿さんのためにキャベツをお送りくださる支援者の皆さま、本当にありがとうございます。

しかこ

皆さま、鹿さんのごはんを
ご支援くださりありがとうございます

宮島の鹿は実際に餓死しそうなの?




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