宮島の鹿についてよく耳にするのが「山に餌があるのか、ないのか」という議論です。
ですが、この答えはとてもシンプルです。
宮島には、今の鹿の頭数をまかなえるだけの餌資源はない
これが事実となります。
「山に餌がある」という言葉による誤解

廿日市市も、「すべての鹿が充分に食べていける餌が山にある」とは言っていません。
市が説明しているのは、「鹿が食べられる植物が“ある”」ということだけです。
この「ある」と「足りる」の違いが、大きな誤解を生んでいます。
しかこ餌があるって言われたら足りてると思っちゃう
広島大学デジタルミュージアムの資料では、2014年に宮島の鹿について学会発表が行われています。
そのタイトルには「餌資源制限下」という文言が入っています。


広島大学デジタルミュージアム(ページの一番下に記載)
発表内容は出ていないため、内容まではわかりませんが、タイトルにある通り宮島の鹿の餌資源は制限がかかっている状態なのです。
宮島の鹿の現状は、餌資源制限下ということです
宮島の山に鹿が食べられる植物はわずかにあるものの、今の鹿の頭数が十分に食べていけるだけの餌資源はありません。



餌が制限されてる..
私たち給餌ボランティアは、鹿の行動を観て、宮島の山の植物を年中観察してそう確信しています。


宮島大元公園 / 目に見える葉っぱは、鹿が食べられない植物
廿日市市の行政は、山に鹿の餌が「少しだけある」という事実を誇張して伝えているように見えます。
その結果「鹿を山に返す」という建前のもと、実際には餌が足りない環境に置かれた鹿が衰弱していくという懸念があるのです
実際、給餌禁止のお願いが出され、まだボランティアによる給餌活動が行われていなかった2008年当時、宮島の市街地にやせこけた鹿が多数目撃されています。



当時はそんなにひどいことになっていたのね
私たちは、鹿の頭数を減らすこと自体に反対しているわけではありません。
しかし、その方法については大きな疑問を持っています。
長年、宮島の観光に寄与してきた鹿たちを、苦しませる形で減らしていくやり方は、動物福祉の観点から見ても問題があると考えます
さらに、宮島の山に「鹿の餌がある」という一点だけを強調することで、多くの人が誤解し、あたかもそれが鹿のための施策であるかのように見えてしまっています。
このような発信の仕方は、一見もっともらしく見えますが、実際とは異なる印象を与えかねない点が問題です。
情報の出どころを確かめることの大切さ


ネット上には、誰が書いたのか分からない“やたら詳しいブログ”も見かけます。
内容が本当らしく見えても、発信者が不明な情報には要注意です。
なぜなら、
もし誤情報だったとしても、発信元の記載がなければ削除するだけで責任逃れ出来てしまうからです
情報を受け取る側も、冷静に「誰が発信しているのか」を確認することが大切です。
- やたら詳しいのに、なぜ発信者の情報がないのか
- どういった専門家で、どのような意図で書かれたのか
そういった視点も、持ってもらいたいです。



匿名だと嘘も書けちゃうよ



誰が発信しているかを意識すればいいのね
今はAIが発達していますので、気になることがあればAIに聞いてみるのもおすすめです。
公的資料などを自分で読むのは、時間も労力もかかりますし、小難しくて頭に入りませんよね。
そのような、難しい資料の内容を要約してもらうのにAIを使うと便利です
私もAIに資料を探してもらったり、要約してもらったりしています。
「餌が足りない」とはどういう意味か


ここで誤解してほしくないのは、「餌が足りない」というのが「鹿が飢えている」という意味ではないということです。
現在は、多くの方々からのご支援(支援物資の提供)によって、宮島の鹿の餌は足りています。
ただし、これはあくまでボランティアの善意によって支えられている状態です。
このまま民間任せにしていては、持続的な保護とは言えません
補助としての給餌は、一体どのくらいの量が適量なのか?
これは、野生動物の専門家による見解が必要だと思います。
とはいえ、この17年間は絶妙なバランスで現状維持ができていますので、信頼できる専門家の補助がないうちは、今の量を今後も継続していきたいと考えています。
まとめ


「餌がある」と「足りる」は別の話なのです。
今の宮島の全ての鹿を支えるだけの、餌資源は宮島にはありません。
元々宮島に野生の鹿が今の頭数いたのなら問題になりませんが、宮島では観光利用のために鹿を飼育して増やしたため、今の頭数となりました。



わたしたちは人間さんに翻弄されています
その鹿たちが、観光に不要になったからと言って、苦しめて餓死させる行為は動物虐待にあたるのではないでしょうか。
だからこそ私たちは、宮島の鹿を苦しめないために、毎週日曜日に全国からご支援頂いています支援物資をお届けしています


この活動が途絶えてしまえば、鹿たちは飢えで苦しみ、やがて死んでしまう鹿が出てきます。
現在はボランティアと支援者の善意で維持されていますが、いつまでも民間頼みでは限界があります。
私たちだけでは、専門的なことまでは到底できません。
ですので、みんなで協力して問題解決に取り組む必要があるのです。
