まずは特定の給餌活動を認めては? 廿日市市へ要望書を提出

宮島の鹿の給餌活動に遠方から2度もご参加くださった(@chloe.sensei_rizzo)さんが、廿日市市のHPから意見・要望書を提出してくださいました。

ご本人に許可を頂きましたので、提出した内容を紹介しながら、内容を深掘りしてみます。

目次

廿日市市へ提出した意見・要望書の内容

廿日市市への意見・要望書

宮島には300頭以上の鹿が生息しているとされていますが、花崗岩質の土壌の影響で、鹿が食べられる植物が非常に限られていると認識しております。

2008年には「鹿を自然へ返す」という目的で、鹿せんべいの販売が中止されました。

しかし、その後(現在に至るまで)、飢えた鹿たちは観光客に食べ物をねだり、時にはゴミやビニールシートを食べる姿が日々SNSで拡散され、国内外から大きな反響を呼んでいます。

このような状況に対して、ボランティアの方々が17年以上にわたって、週1回自費で鹿に餌を与える活動を続けてきました。

近年、市街地から鹿の数が減少した背景には、ボランティアの方々が山間部や浜辺での給餌活動を行ってきた成果が大きいと考えられます

もしこのボランティア活動が終了してしまうと、餌を求める鹿たちが再び市街地に戻ってくる可能性が高く、商業地域にとって大きな影響が出ることは市の皆様にもご理解頂けるかと思います。

そこで提案なのですが、この活動を特別枠として正式に認可して頂けないでしょうか

宮島の観光大使として活躍する鹿たちを陰で献身的に支えているボランティアの皆様の努力を認めて頂きたいのです。ご検討頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。

「給餌禁止のお願い」はそのままに特定の給餌を認める

私が以前インスタに書いた

給餌禁止のお願いはそのままに、特定の給餌だけを認めてはどうか?

という提案を、上記の文章にして廿日市市にお送りくださいました。

メス鹿さん

@chloe.sensei_rizzo さんありがとう

しかこ

個人の声は小さくても、それが集まれば大きな力になるね

まずは、一般の観光客への「給餌禁止のお願い」はそのままで良いので、一部の給餌活動を認めるところから始めたら良いと私は考えています

0か100かのような極端なことをするのではなく、きちんと目の前の鹿の命と向き合ってもらいたいのです。

長期的視点で物事を考え、鹿を苦しめずに時間をかけながら徐々に減らしていけば良いのです。

※廿日市市は宮島の市街地周辺の鹿を減らすことを目的に、給餌禁止のお願いを出しています

鹿の個体数は給餌をしていても特段増えていない

「給餌をすると鹿の個体数が増える」と心配される方がおられます。

ですが、私たちは17年間も給餌活動を行なっていますが、鹿の個体数は特段増加していないことが廿日市市の資料からわかります

宮島地域シカ保護管理計画:資料編 宮島のシカの生息状況より

図4 市街地周辺地域における確認個体数の経年変化

このグラフは市街地周辺の鹿の個体数を、宮島エコツーリズム協議会が数えたグラフです。宮島全体の鹿の個体数ではありません

宮島の鹿の現状は、自然淘汰などではなく、ただただ人間に翻弄されている不運な境遇となっています。

オス鹿さん

おなかが空くのつらい

宮島の鹿は実際に餓死しそうなの?

廿日市市は宮島の鹿にマイクロチップを埋め込んで調査をしている

これは驚くべきことですが、廿日市市は市街地付近に生息する多くの鹿にマイクロチップを埋め込んで、個体数や年齢などを調査しています。

以下は「宮島地域シカ保護管理計画:資料編 宮島のシカの生息状況」に記載されている文章です。

現在では市街地付近に生息する個体の多くにマイクロチップが挿入されているため、再捕獲によって貴重なデータが得られるようになった。

それらの計測データや繁殖情報を蓄積していくことによって、成長・繁殖開始年齢・繁殖率など個体群動態を推定するためのパラメータが明らかになってきた。

さらに死亡率や寿命などの情報が得られるようになれば、個体群の増減の予測ができるようになると考えられる。

なぜ、マイクロチップにはお金も労力もかけるのに、鹿の命を守る給餌にお金がかけられないのか不思議です。

ボランティアが勝手にやってくれているから「放っておけば良い、助かる助かる」とでも考えているのでしょうか。

そして、野生の鹿には手を出すなと言う割に、調査のために鹿の体内にマイクロチップを埋め込んでいるのです。

これには、どこか得体の知れない恐ろしさを感じます…

オス鹿さん

ざわ… ざわ…

ボランティアによる給餌活動のみ認める

行政が公式に一部ボランティアの給餌活動を認めることで、わたしたちも多方面から支援が受けやすくなります。

お金がないと言うのなら、入島税の一部を鹿の保護活動費にすることも一つの案です。

政府や行政はお金を言い訳に「できない」「資金がない」ということが多いですが、それはやろうとしていないだけに思えます。

鹿たちを苦しめずに適正な個体数まで減らしていくためなら、入島税を少し上げることに市民や観光客は納得するのではないでしょうか。

実際に、1949年(昭和24年)には鹿の保護条例が制定され、鹿の予算が年間2,000万円あったそうですからね

宮島の鹿の歴史年表まとめ

この子は前脚がO脚な鹿「はのちゃん」

私たちは行政と敵対したいのではありません。宮島の鹿を増やしたいのでもありません。

鹿たちを苦しませない対応をして欲しいだけなのです

どうぞよろしくお願い致します。

廿日市市 問い合わせ・意見等 送信フォーム

廿日市市への要望はどこに住んでいても、誰でもすることが出来ます。行政というのは本来、こういった市民の声に耳を傾けるべき存在だと思うのです

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