宮島の給餌ツアー参加者様の @chloe.sensei _rizzo さんが、PETA ASIAに対して「宮島の鹿問題」を文章にまとめ、英訳して報告してくださいました。
PETAは、1980年に米国で設立され「動物は食べたり、実験に使ったり、着る目的だったり、娯楽や虐待に使われるものではない」という基本理念を掲げている、世界的な動物愛護団体です。

活動家の範囲 | 人数 |
---|---|
支援者・会員 | 年間寄付をした人、ニュースレター購読者、オンライン署名者など含む約900万人 |
草の根活動家 | デモ・街頭キャンペーン・ボランティア参加など、直接行動する人たちも数万人〜十万人規模で存在 |
PETAは、とても大きな動物愛護団体ということがわかります。
【大反響】宮島の鹿問題を訴える映像が20万回再生超え
以前、PETAアジアジャパンさんが、宮島の鹿問題についての動画を作成して、インスタグラムの公式アカウントで公開してくれたことがあります。※動画に出てくる映像は私が提供しています。
その動画がこちらです
この映像をインスタグラムでリポストしたところ、20万回再生を超える大きな反響がありました。
PETA ASIA-Japanさんには、心より感謝申し上げます。
そしてこの度、給餌ツアー参加者様でもある @chloe.sensei _rizzo さんが、とても分かりやすい文章でPETA ASIAに「宮島の鹿の現状」について報告してくださいました
報告によりPETA Asiaが応えてくれるかどうかは分かりませんが、報告という行動をされたこと自体が素晴らしいと感じています。
この映像とPETAへの報告文を読み、宮島の鹿問題を初めて知った方も多かったはずです。
PETA ASIAへ報告した宮島の鹿問題の文章全文(日本語訳)
@chloe.sensei _rizzoさんに許可を頂きましたので、PETA ASIAに報告した文章の日本語訳をご紹介します。
宮島における鹿の動物福祉に関するご支援のお願い(日本語訳版)

拝啓
このたびは、日本・広島県にある宮島(厳島)における動物福祉の問題について、貴団体にご注目いただきたく、ご連絡を差し上げました。
宮島はユネスコ世界遺産として国際的にも広く知られており、現在、島内には300頭以上の鹿が生息しております。しかし、宮島の地質は花崗岩を主とする特殊なもので、鹿が生きる上で必要な植物が乏しく、自然な食料源が非常に限られているのが現状です。
このような環境にもかかわらず、地元自治体によって持続可能な給餌プログラムは実施されておらず、現在では観光客による給餌すらも推奨されておりません。
そのため、鹿たちは限られた芝や草のみを頼りに生き延びている状態です。
実際に現地では、以下のような悲痛な状況が目撃されています:
- 肋骨が浮き出るほど痩せ細った鹿
- 食料を求めて商業区域に現れる鹿
- 観光客が捨てたゴミ、ビニール袋、ロープ、タオルなどを口にする鹿
- 獣医による診療や緊急時の給餌ステーションが存在しない
このような状況は、私たちに深い悲しみをもたらしております。
宮島の鹿たちは、日本文化の象徴の一部として観光にも貢献しているにもかかわらず、十分な保護や支援を受けられず、非常に過酷な環境に置かれています。
彼らの苦しみは、単なる栄養不良の問題にとどまらず、「文化財の一部」として扱われながら、行政による管理・支援が行き届いていないという構造的な問題を浮き彫りにしています
島の限られた資源だけに頼って生きるこれらの鹿たちは、外部からの支援がなければ生き延びることすら困難です。
そのため、私たちは貴団体のご支援とご協力を、心よりお願い申し上げます。
ご支援をお願いしたい内容は以下の通りです:

1.宮島の鹿の現状を調査し、国内外に向けて報告していただくこと
→ 現場の実情を広く知らせることで、社会的関心と改善への働きかけが生まれると確信しております。
2.日本国内の自治体や関係当局に対し、持続可能な給餌・獣医ケア体制の導入を働きかけていただくこと
→ 適切な個体数管理(例:不妊手術もしくはホルモン注射)を含め、鹿の健康と命を守る緊急かつ効果的な対策が求められます。
3.鹿と島の自然環境の双方に配慮した、倫理的かつ生態学的に持続可能な管理方針の提案
→ 観光と自然保護が両立する長期的な解決策の模索が急務です。
この問題は、単なる地域の動物管理の問題にとどまらず、観光資源として活用されている一方で保護されていない動物たちの実情を象徴しており、日本全体における動物福祉への姿勢を問うものでもあります。
貴団体のご支援・ご助言を通じて、宮島の鹿たちがよりよい環境の中で生きていけるよう、共に取り組んでいただけましたら、これほど心強いことはございません。
現地の写真や映像資料、または他団体や個人のご紹介など、必要に応じて私たちも最大限のご協力をさせていただきます。
どうかこの問題にご関心をお寄せいただき、何卒ご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
敬具
宮島の鹿問題と子ども食堂の問題は似ている

支援物資のチモシーを食べる宮島大元公園の鹿たち
宮島の鹿問題の本質が良くわかる、とても素晴らしい文章でした。
PETAに英文で報告してくださり、本当にありがとうございます。
世界に宮島の鹿の現状を発信することで、海外から外的圧力をかけて、変革を起こすことができるかもしれません。
それでは最後に、 @chloe.sensei _rizzo さんご本人のコメントを掲載させて頂きます。
以前、フォロワー様が宮島の鹿問題は、子ども食堂の構図に似ているとおっしゃられていました。全くその通りで、本来なら行政が支援しなければならない問題を、全て民間の善意に丸投げしています。この状況を改善するためには、外部から圧力をかけるのが有効かと思います。
宮島の鹿問題と子ども食堂の問題、こられは確かに似ています。
日本国内で起きている問題を、日本人みんなの税金で解決に向かわせることが、本来の行政の仕事ではないでしょうか。
それを、ボランティア任せにして責任を放棄している構造が、子ども食堂と酷似していると感じます。
給餌ボランティアや全国の支援者様からからお送り頂くご支援が、ただ単に美化されるのではなく、この問題を作り出している根本原因を解決するために、今すぐ国や県に動き出して欲しいと願っております。

そのためにも
世界的に大きな動物保護団体の力をお借りして、宮島の鹿問題が少しでも多くの方に知れ渡り、皆で問題解決に向かって協力できればうれしく思います
私たちは、小さな行動の積み重ねが、やがて大きな力に変わると信じています。
皆さまからのハート(いいね)やコメント、そしてシェアなど、そのどれもが私たちの大きな力になっています。
いつも本当にありがとうございます。
※この記事もさまざまな媒体でシェアしてもらうことで、より多くの方に届くことを願っております。