【FAQ】宮島の鹿の給餌活動へのよくある質問に、現場の給餌ボランティアが全てお答えします

宮島の鹿の給餌活動に関して、よくある質問について回答させて頂きます。

これだけ自然豊かな島であるにも関わらず、鹿が山にエサを求めないのは理由があるのでしょうか?

宮島は花崗岩が隆起してできた、塩分濃度が極端に高い土壌なのが特徴です。そのため塩害に強い植物が多く自生しており、鹿の餌となる植物が極端に少ないのが現状です。

宮島の鹿には給餌してはいけないのですか

「給餌禁止のお願い」は出ていますが、法令ではないので罰則はありません。そのため17年間給餌を行なっております。2008年当初の『宮島地域シカ保護管理計画』では、給餌をやめた結果衰弱が見られるようであれば、計画的な給餌を再開するということでしたが、実際は行われていません。

宮島の鹿は神鹿ではないのですか

宮島の鹿は鎌倉時代に書かれた文献の中に『神鹿』という言葉が出てくるように、鹿信仰とのつながりが深く、鹿と人間は共存してきました。戦後には、神鹿苑(しんろくえん)という施設を作り鹿を飼育して増やした歴史が、写真と文献で残っています。

宮島の鹿が「神鹿」だったことがわかる歴史年表まとめ

宮島の鹿は増えていますか

『増えている』とするのは専門家でない人の目視によるものです。実際は、鹿の生息頭数調査が科学的に行われたことがありません。給餌活動をしている私たちの元に出てくる鹿の頭数は増えておらず、昔と比べると少し減っています。

餌やり禁止によって鹿が減るのでしょうか

減るということは鹿が飢えで苦しみ餓死することになるので、減らし方を問題視しています。また、生物は飢餓状態になると逆に子孫を残そうとするため、出産率が高まるという研究結果もあります。

宮島の鹿は飲み水はありますか?

宮島では数本の川があり、常に豊富な水が流れています。その川の水を鹿さんは飲んでいます。水不足にならない限り、飲み水には困らない環境ですのでご安心ください。

鹿が食べられる草が少ないのに、なぜ宮島に鹿がいるのですか

戦後、奈良から鹿を連れてきて「神鹿苑(しんろくえん)」という施設で鹿を飼育し、観光利用するために増やしました。大昔から宮島に野生の鹿がいた可能性はありますが、少なくとも餌資源の少ない宮島には、現在の400〜500頭の鹿はいなかったと考えられます。

宮島の鹿への給餌は自然公園法に違反しませんか

国と県に対して正式な回答を求めたところ「自然公園法による野生動物への餌付け禁止は、人的被害の可能性がある動物(例えばクマ)が対象と考えられており、宮島のシカはそれに該当しない」との回答をいただきました。給餌活動は違法ではないのでご安心ください。

宮島の鹿への餌やりは本当に違法なの?

宮島の鹿は野生動物ですか?

宮島の鹿には行政と島民が2007年頃までは餌を与えており、市街地では鹿せんべいが販売されていました。純粋な「野生動物」とは呼べない側面があるため、「餌付けされた野生動物」や「飼育し増やした野生動物」だと言えます。旧宮島町時代には鹿の保護条例もありました。

宮島の鹿は餓死しそうには見えません

給餌ボランティアと宮島の鹿を氣かけている人たちが、皆で協力して鹿に餌を与えているお陰で現状維持ができております。

宮島の鹿は実際に餓死しそうなの?

餌を与えると鹿が増えて、かえって苦しませることになりませんか?

現在の環境下では、餌資源が不足しているため、給餌をしなければ多くの鹿が飢えて苦しみ、命を落とすことになります。私たちの給餌活動は、こうした苦しみを少しでも減らすことを目的としています。

宮島の鹿を減らすこと自体に反対しているわけではありません。ただしその方法が、鹿に対して過度な苦痛を与えるやり方であってはならないと考えています。

宮島に行くと「餌やり禁止のお願い」の看板がたくさんあります

廿日市市は給餌禁止を徹底することが、鹿と人間が共存することに繋がると考えているようです。しかし、実際には鹿を飢えさせて餓死させる政策となっているのが現状です。

私たちも鹿さんをもっと大切にして欲しいと国や行政に「お願い」をしています。まずは給餌ボランティアの活動に限り「給餌」を認めたらどうかと考えています。

宮島島民はなぜ声をあげないのですか

島民の方の中にも心を痛めている方がたくさんおられます。ですが、宮島は小さな島であり、権力者の意向に逆らうと村八分にされたり、商売ができなくなる可能性があります。宮島の住民は生活を人質に取られているため、表立って声を上げられない事情があります。

チモシーやどんぐりを撒いていますが、原生林に生えたらどうするんですか

ここ16年間チモシーやどんぐりを宮島の鹿にあげ続けていますが、全く生えてこないのでご安心ください。そもそも土壌が特殊なのと、チモシーもどんぐりも1日〜2日で鹿に食べられます。

餌やりなしで宮島の環境が維持できる最大の個体数があるべき形ですよね

本来はそうあるべきですね。ですが、人間が観光利用のために鹿を飼育し増やした宮島では、最後まで責任をもって給餌を続ける必要があると考えております。また、適正な個体数にするためには、現状だと多くの鹿を飢えで苦しませ餓死させるということになります。

新聞やテレビで報道されないのはなぜですか

これまで3度ほど新聞社が、米田さんのもとに取材に訪れました。ですが、いずれも取材後に掲載不可になりお蔵入りしています。2025年の宮島包ヶ浦自然公園のホテル誘致反対署名では、約3万筆近くの署名が全国から集まり廿日市市に提出しましたが、一切報道されませんでした。大手メディアは都合が悪いことは報道しない、ということが実際にあるようです。

宮島の富裕層向けホテル誘致計画の白紙撤回を求める署名

宮島は97%が森ですよ

宮島の森の中に入ると緑の葉っぱが見えるので、最初は鹿の食べられる植物があるように見えます。ですが実際には、アルカロイド系のシダ、梻(しきみ)、榊(さかき)、馬酔木(あせび)、エゴマなどの鹿が食べられない葉っぱばかり残っています。

2025.5.11日撮影 場所:大元公園

眼に見える葉っぱは鹿が食べられない植物です

鹿が食べられる草を植林できないのでしょうか

宮島は神の島として大昔から規制がかなり厳しい土地なため、勝手に植林することはできません。また、するとしても頑丈な囲いを作らないと鹿にすぐに食べられてしまいます。

鹿はものすごいスピードで増えると聞きました

テレビなどの大手メディアがそのように報道することが多いですが、実際はそんなことはありません。鹿は一年に多くても一頭しか子供を産みません。

支援がしたいのですがどうしたら良いですか

宮島の鹿さんを氣にかけてくださりありがとうございます。17年間給餌活動を続けておられる米田さんは募金を募っていないので、現在は支援物資をお送り頂いております。

支援物資についてはインスタグラムでDMを頂けると、支援先や配送方法などの情報をお伝えできます。また、YouTube「宮島の鹿さんチャンネル」ではチャンネル運営費と給餌活動費としてスーパーサンクスを受け取らせて頂いております。

・インスタグラム
・YouTube

キャベツや人参など、人間の食べ物を与えるのは危険だと言う人がいます

キャベツに含まれる硝酸塩は、ほうれん草や小松菜に比べて低い傾向があり、しかも「大量に摂取した場合」に限って亜硝酸塩中毒のリスクがあると言われているに過ぎません。

キャベツや人参などの野菜を少量与える行為を、一律に「危険な給餌」と決めつけるのは、宮島の鹿の現実を見ていない意見だと言わざるを得ません

キャベツを与えるのは危険?宮島の鹿と給餌に関する誤解と現実

以上が、宮島の給餌活動に対してよくある質問と回答です。

このブログでは、さまざまな疑問に対する回答する形で、深掘りして記事を書いております。他の記事も併せて読んでいただくことで、宮島鹿問題の本質が見えてくるはずです。

皆で理解を深めて、宮島の鹿さんを大切にする世の中に変えていきたいと活動しております。

2008年に廿日市市は宮島の鹿を「駆除」しようとしていた

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