宮島に暮らす鹿さんの現状を知り
何かできることはないか
と思ってくださる方が、ありがたいことに最近とても増えてきました。
犬や猫の保護活動は、今では多くの方に知られ、当たり前の取り組みになりつつあります。
その歴史や広まり方を見ると、宮島の鹿さんたちの活動にも活かせるヒントがあるように思います。
そこで今回は、宮島の鹿さんの未来を良くするために、どのような流れが必要なのかをまとめてみました。
動物の命を守る取り組みが“市民権を得る”には、ある程度の時間とプロセスが必要です
これまでの歩み、そしてこれからの方向性を皆様に知っていただくことで、少しでも早くこの問題を良い方向へ進められれば幸いです。
宮島の鹿さんのために出来る10の取り組み

① 共感されるストーリーを伝える
数字や理論も大切ですが、やはり人の心を動かすのは“鹿さんたちの実際の姿”です。
犬猫の保護活動でも、写真や映像により多くの方の心に届いているようです。
また、犬や猫を飼っている方たちの関心の高さが、活動を広めた要因になっています。
宮島のかわいい鹿さん、痩せてしまった鹿さん、
やさしく接してくださるボランティアの方々…。
まずは一般の方に「心の扉」を開いてもらうことが大切です
そのために、現場の写真・映像・そして声を丁寧に届けていきます。
② 間違った情報をやさしく修正する

行政の発信には、どうしても偏りが生まれます。
しかし対立ではなく、「事実を静かに伝える」ことで、多くの方に理解していただけます。
今の対策が鹿さんや宮島にとって最善だ
と信じている方もいます。
ここで感情的な対立をしてしまうと、冷静に物事を見られなくなることもあります
だからこそ、事実だけを静かに、ていねいにお伝えしていきます。
③ 現場の実態をわかりやすく見える化

犬猫の保護活動が広まった大きな理由は、“現場の実態が可視化された”ことでした。
宮島でも同じです。
写真・動画・データを通して、鹿さんたちの今の状況を丁寧に伝え続けます。
何事も問題は現場で起きていますし、解決策も現場にあると考えています。
④ 誰かを責めることを目的にしない

この活動で最も大切にしている姿勢です。
行政、観光客、地元の方々、商店…。
誰かを悪者にして攻撃することはしません。
もちろん、やってはいけない行為はしっかり発信しますが、目的は“誰かを責めること”ではありません。
※この姿勢は、後述の「地元の理解」にもつながります
鹿さんの現状と必要なことを、静かに、冷静にお伝えしていきます。
⑤ 専門家や第三者の声を取り入れる

広島大学、専門家の論文、獣医師の意見…。
第三者の声は活動の信頼性を大きく高めてくれます。
必要に応じて引用しながら、丁寧に示していきます。
今後は、この活動に協力してくださる様々な分野の専門家が増えていくことを願っています。

2025年12月5日に地元廿日市市の農家さんが、廃棄人参をご支援くださいました。このような協力がとても大きな力になります。
⑥ 行政との対立ではなく“提案”

対立しても前には進みませんし、多くの人が関わりづらくなってしまいます。
必要なのは、より良い“提案”です。
私たちは、奈良の鹿さんの例のように、“観光と共存しながら鹿を守る方法”は必ず存在すると考えています。
⑦ 地元の方々から理解を得る(最重要)

宮島で暮らす鹿さんを守るためには、地元の方々の理解が何より大切です。
日々の会話やSNSを通して、少しずつ意識を広げていきたいと思っています。
「バレなければ何をやっても良い」という風潮をなくし、“鹿さんを大切にすることで、宮島全体が潤う”
そんな空気感が必要です。
2025年11月に宮島の市街地の鹿さんが、商店街のとあるお店の方に足を踏まれるという出来事がありました。
これをいつくしかのインスタで映像を公開し、警察への連絡など一連の情報をシェアしたことで、
それ以来、一部のお店の方が鹿を蹴るなどの行為が減ったと地元の方からの報告をもらっています
宮島をより良い場所にしていくために、地元の方の理解と協力は欠かせません。
⑧ 協力者を増やす

SNSの応援、情報提供、物資の支援、寄付、行動(給餌ツアー)など、関わり方は人それぞれです。
立場も環境も皆違います。だからこそ、無理のない範囲で継続できる形が一番です。
- SNSでの応援
- 物資の支援
- グッズ購入(LINEスタンプ)
- 寄付金(スーパーサンクス)
- 一緒に活動する仲間
- 現場情報の提供
どれも同じくらい大切で、誰かが偉いわけでもありません。
小さな行動の積み重ねが、世の中を変えていきます。
今、温かい気持ちを持つ方がどんどん集まってきています。
この輪を少しずつ広げていきたいです。
⑨ メディアに取り上げられる段階

ここまで進むと、
宮島の鹿問題は「社会問題」として扱われるようになります。
犬猫保護も、メディアで取り上げられ出してから価値観が変わりました。
最初は、YouTubeなどの個人WEBメディアかもしれません。
多くの方の関心が向けば、そこに自然とビジネスが生まれ、“取り上げる価値”が高まります。
⑩ “当たり前の社会”として根付く

最終的に目指すのは、
- 餓死で減らす対策は間違っている
- 鹿さんへの暴力はありえない
- 苦しんでいる鹿さんを助けるのは普通のこと
という価値観が社会の“当たり前”になること。
多くの方の意識が高まり、本当のことが正しく理解される日が来ると信じています。
その第一歩を、私たちはもう踏み出しています。
おわりに

鹿さんのためにできることは、決して派手ではありません。
時間もかかりますし、少人数ではできないことがたくさんあります。
だからこそ、
応援してくださる皆さんと共に、これからも進んでいきたいと思っています
温かい応援ややさしいお声(コメント等)が、本当に励みになります。
これからも、宮島の鹿さんの未来のために、できることを続けていきます。
